プジョー508スピーカー交換 molel VILTUS nano602は理想のスピーカー
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少し前にmolel VILTUS NANO602(モレル ヴィルタス ナノ)が当店にも入荷しました。当店でもいろいろテストして一台取り付け致しましたので後でレポートします。
このスピーカーはもうすでにモレルを積極的に販売に取り扱っておられるお店も多くあると思いますが、molel VILTUS nano602について私ならではの分析理論をお知らせしたいと思います。
まずはmolel VILTUS nano602のスピーカースペックから紹介しますね。
インピーダンス4Ω
パワーハンドリング、Wrms(定格入力)80W、MAX250W
能率(2.83V/1m)91db
周波数特性 50~22000Hz
ユニット ミッドバス大きさ6.5ンチ、ツィーター1.8インチ
クロスオーバーネットワーク クロスポイント2200Hz/12db/6db ツィーター減衰+/-2db
日本販売希望小売価格108,000円(税込み)
まず、気がついてほしいのは能率です。モレルのスピーカーの中でもかなり能率が高くなっています。これは、ナビなどの内蔵アンプやDSP8などの35W(定格)の非力なアンプでも効率よくスピーカーが動いてくれます。最近のエコカーでは大きな電力を使うアンプは返って音質が良くない方向にある現代のエコカーブームとしては救世主のスピーカーですね。
しかもこのミッドバスは写真をよく見て頂くとわかると思いますが17mmの厚さで非常に薄いです。ホンダ車や三菱車などは穴が小さく鉄板の穴をカットしないとスピーカーが取り付けできないものが多くありますし、又プジョー、シトロエンなど一部の車はガラスのスライドがスピーカー直前に近くにありマグネットの厚みのあるスピーカーは取り付けできませんでした。取り付けに加工やアウター可能などの工夫が必要です。よって工賃に対する負担も多くなります。
molel VILTUS nano602を使えば少なても鉄板加工のダメージは少なくできますし、車売却のときに簡単に元に戻せますのでメリットは非常に大きいのはユーザーにとってはうれしい限りです。
molel VILTUS nano602のもう一つ最大の特徴はミッドバスの形状にあります。通常のスピーカーはコーン型ですがこのmolel VILTUS nano602のミッドバスは薄いドーム状の形状をしています。実はこのドーム形状が車のスピーカーでは非常にメリットの多い形状なのです。
さて、少し私なりの考え方をイメージ図と共にmolel VILTUS nano602とのドームの音の伝え方の違い説明して書いてみますね。
まずは通常のコーン型ですが詳しくイメージ図を元に説明してますね。下の1図、2図に指向特性のイメージ図を書いてみました。スピーカーには音は広がっていきますが、指向特性のプラスの範囲から極端に外れると下の2図のように高域の減衰が著しくなります。(カーオーディオ教室資料より)ステレオとしての正しい音像が車のリスニングポジションから離れてしまう事がわかると思います。
カーオーディオ指向特性 2図
コーン型はスピーカーの特性とするとスピーカーが正面にリスナーに向かっている時が一番周波数特性がよく、角度がついていくと高域の減衰量が激しくなり高域の音質は損なってしまいます。又、実際に車に取り付けするとドアにつけますから向かい合っている為、音のぶつかり合いとなります。音を聞くポジションからすると右は90度に近いぐらいの横向き、左は音が広がって距離があるため、なんとか高域がポジションに入ってきますから位相のプラス、マイナスが混合して音の打ち消し合いにより音質特性が非常に悪くなります。これがカーオーディオにとっての最大の欠点です。この位相をなんとか揃えようとしてデジタルでタイムアライメントをコントロールするわけでですが物理的に考えてもスピーカーが自然に鳴ろうとする理想からは外れてしまいます。ですから取り付けするインストーラーが頭を抱えて取り付けに工夫を凝らしたりしているわけです。ただつけても音が良くないがこの問題を解決できればいいですが中々難しい事です。
molel VILTUS nano602のミッドバスの独特なドーム形状は音の伝達がちょっと違います。
浅い平面にも似たドーム形状は緩やかな半球状に広がっていく音で縦方向の指向範囲は非常に大きくコーン型のようにマイナス成分はほとんどありませんから指向特性による影響は非常に少ないと考えられます。
molel VILTUS nano602指向範囲イメージ図
又、縦方向の指向範囲広い為がツィーターとのつながりが非常に良くなります。よって音の位相ズレも少なくアナログ的にも非常に特性が良くなります。一度、ディスプレーで実験したことがありました。
写真は別の一般スピーカーです。
スピーカーボックスにmolel VILTUS nano602を取り付けして通常のスピーカーのように正面に向かって聴いてみると横に異常に音が広がって聴こえました。実験的に車と同じように向かい合わせにしてツィーターだけリスナーのセンターへ向けてみるとびっくりするぐらいの奥行き感と定位の良さが際立ち、ツィーターとのつながりの良さを更に実感できる事ができました。この実験からみてもこのmolel VILTUS nano602は向かい合わせでちゃんとまともになってくれるスピーカーと言うことを証明できたと思いました。
この出来は考えたのか偶然なのかわからないが非常に素晴らしいです。低音から高域にかけての特性の良さはmolel VILTUS nano602しかできないと思ったぐらいでした。ぱっと聞きの印象では特に高域のツィーターの音質が非常に綺麗でした。
こんな事をいろいろやった後で偶然にも取り付け依頼が入り実際に取り付けした車を紹介します。
車はプジョーの508で福井県のある車ディーラーさんからお客様を紹介頂き、お客様と話し合って純正ナビはそのまま活かしてスピーカーだけ交換の依頼となりました。最初は予算の関係などもありモレルのTEMPO ULTRA602を取り付けする予定でした。
しかし、いざドアをまくってみてスピーカーを外してみるとガラスのスライドレールがあって測ってみると40mm位しかありませんでした。テンポウルトラのミッドバスは75mmの奥行きがありますのでバッフルをかなり厚く作らないと入りません。純正スピーカーも非常に薄くできていますのでドアトリムを見ても厚みは薄くしないと入らない事がわかりました。
プジョー508純正スピーカー
そこでお客様へ連絡して説明し、新製品で出たばかりのmolel VILTUS nano602に変更の許可を頂き取り付けすることにしました。バッフルの作製は12mmのバーチ材とし、スピーカーのフレーム厚みだけを切り落としして埋め込む事にしました。下の写真のようにこんな感じです。
お客様からの要望はしっかりと音を出したいと聞いていたので、ドアはきっちりデッドニングをしました。molel VILTUS nano602のミッドバスも取り付けがっちりと固めたドアの作りこみで低音の共振を徹底的に抑えこみました。
ドアは元に戻してツィーターの作りこみです。molel VILTUS nano602はツィーター標準マウントが付属なのですがあえて作ってダッシュマウントしてみました。
作製の材料はバーチ材でラフカットしてツィーターマウントに合わしていきます。
木工旋盤によりお茶碗状に作り台座を貼り付けして整形しました。
仕上げはスエードの黒で仕上げました。
ダッシュボードに取り付けして一様完成です。写真が斜めに撮ってしまったので傾いたように見えますが普通についてます。ダッシュボードレーダー探知機も移動しました。
出来た後にちょっとだけ音出しして聞いてみるとエージングが出来てないので音は硬く聴こえてしこりのある音に聴こえましたので3~4時間ほどエージングを進めると何もしないでも素晴らしい音へ変化していました。
調整をと思って調整したのは純正ナビ(パナソニック製)のわかりづらい部分(裏メニューにも見える)にタイムアライメントを見つけたので他の余分なDSP機能は中止して左右のタイムアライメントのみ調整だけで音質も十分で定位もバッチリ整った音にできました。
お客様にいざ車を渡すと、車に乗り込み何曲か聞き降りてきたら、スタディオメッセさんへ依頼して本当に良かったと言ってくれました。そのあと紹介してくれた車ディーラーさんへ行ったそうですが、車のサービスの方も音の良さにびっくりしていたそうです。
molel VILTUS nano602を取付して本当に良かったと思いました。
貴方もmolel VILTUS nano602を取付してみませんか。でも性能が高いといってヤフオクや並行輸入品だけは買わないでくださいね。取付にはしっかりとした取付が必要です。スピーカー性能を発揮するにはやはり音の事をよく知ったプロに任せるのが一番ですから。
当店へのカーオーディオ取付作業依頼お待ちしております。お問合せよりお問い合わせください。
では又書きます。
追伸
現在の作業は混んでいませんので車の入庫は可能です。是非、年末も近づいてきますのでお早めにご予約ください。